Yumiko Chiba Associatesでデイヴィッド・シュリグリー(David Shrigley)の「Clarity: It is very important」、亀ちゃんとオペラシティ・アートギャラリーの「千葉正也」展、東近美の「眠り展」。

シュリグリーは手書きの文字と図を組み合わせた作品。ややアイロニカルな作風。例えば、監視カメラが描かれた紙上に、「俺は24時間、よくわかんねえ理由で、誰かに監視されているのがとっても好き」(正確な文章は覚えていない)といった意味の文章が書かれている。脱力系というか、少し気の抜けたイラストと、鷹揚に書かれた文章の組み合わせ。主題としては非常に政治的あるいは倫理的な問題を扱っているものの、様式のゆるさゆえにシリアスさが脱臼されている。若い子が好きそう。

千葉正也はとても絵が上手な作家だと感じた。会場に木材のコースが周回するようにはりめぐらされており、そのコースはおが屑とスポットライトで照らされ、そのなかを亀が一匹歩いている。バックヤードに設られたもう一匹の亀は水槽の中にいて、先述したコースに仕掛けられた監視カメラの映像を見ている。絵画作品は必ずしも観客の方を向いておらず、コースを回る亀の視点で設置されているらしい。会場にはさまざまな仕掛けや指示版が設置されていて、どこか「シュヴァルの理想郷」を思わせる作り。いろいろな問題系が汲み取れそうな展示だった。

「眠り展」は駆け込み15分で鑑賞。なんか普通だった。